こんにちは、株式会社 室内装飾おとこざわです。当社ではリフォーム工事や内装工事を手がけており、多くのお客様からシロアリ予防についてご相談をいただきます。「シロアリ予防にはどれくらいの費用がかかるの?」「信頼できる業者の選び方は?」という疑問にお応えするため、今回は坪数別のシロアリ予防費用の相場と、失敗しない業者選びのポイントについて詳しく解説します。
シロアリ予防の重要性とは
シロアリによる住宅被害は年々増加傾向にあり、放置すると家の構造部分にまで深刻なダメージを与えることがあります。リフォーム工事の現場でも、シロアリ被害によって大掛かりな修繕が必要になるケースを数多く見てきました。
シロアリ被害は目に見えないところで進行することが多く、気づいたときには被害が拡大していることも少なくありません。そのため、定期的な予防処置が住宅の長寿命化において非常に重要です。
シロアリ予防費用の基本的な計算方法
まず知っておきたいのは、シロアリ予防の費用は建物全体の延べ床面積ではなく、1階の床面積をベースに計算されることです。これは、シロアリが主に地面から侵入してくるため、1階部分の処理が中心となるためです。
例えば、延べ床面積が30坪の2階建ての住宅であれば、シロアリ予防の対象となるのは1階部分の約15坪となります。
費用計算の基本式:
シロアリ予防費用 = 1階床面積 × 施工単価(坪単価または㎡単価)
1階の床面積は、以下のような方法で確認できます。
- 四角い家なら縦×横で計算
- 登記簿の「表題部」に記載された「床面積」を確認
- 不動産購入時の売買契約書の確認
坪数別のシロアリ予防費用相場
シロアリ予防費用の相場をご紹介します。費用相場は、建造物の違いや条件によって異なります。お見積りの際の参考にどうぞ。
20坪の住宅の場合
平均的な一軒家よりやや狭い一階床面積20坪の一軒家のシロアリ駆除・予防の費用相場は、おおむね88,000円~210,540円(税込)となっています。
同じ20坪でも業者によって価格差があります。一般的なバリア工法を採用する場合が多く、この場合の1坪あたりの単価は約4,000円~10,000円程度となっています。
30坪の住宅の場合
30坪の家におけるシロアリ予防の費用相場は、一般的に約8万円~15万円程度です。ただし、延べ床面積30坪の場合、1階部分は約15坪程度となるため、実際の施工面積に基づく計算では約74,535円~149,070円(税込)になるケースが多いでしょう。
一方、1階床面積が30坪の場合、バリア工法で約130,680円~315,810円、ベイト工法では約279,000円~360,000円となります。
日本の住宅の平均延べ床面積は約127.29㎡(約38.5坪)であることを考えると、30坪前後の住宅が多いため、この価格帯が一般的な費用相場といえるでしょう。
40坪の住宅の場合
40坪の住宅(1階床面積)のシロアリ予防費用は、約174,240円~421,080円(税込)が相場です。工法別では、バリア工法で約248,000円~332,000円、ベイト工法では約372,000円~480,000円になります。
これらは2025年3月時点での調査結果であり、ヤマトシロアリの場合の費用です。
50坪の住宅の場合
広めの一階床面積50坪の一軒家の場合、シロアリ予防の費用相場はおおむね217,800円~526,350円(税込)となっています。工法別では、バリア工法で約310,000円~415,000円、ベイト工法では約465,000円~600,000円になります。
50坪の住宅の場合、費用が高額になるため、複数の業者から見積もりを取得して比較検討することがより重要になります。
シロアリ予防費用が異なる理由
同じ坪数でも業者によって費用が大きく異なる理由には、以下のような要因があります。
1. 工法の違い
バリア工法とベイト工法では費用が異なります。一般的にベイト工法の方が高額になる傾向があります。
2. 使用する薬剤の種類
環境に優しい薬剤や長期間効果が持続する高品質の薬剤を使用する場合、初期費用は高くなりますが、長期的にはコスト削減になることもあります。
3. 保証期間の長さ
5年保証、10年保証など、保証期間が長いほど費用は高くなる傾向があります。
4. アフターサービスの内容
定期点検や再発時の対応などのアフターサービスが充実している業者は、それだけ費用に反映されます。
5. 業者の規模や知名度
大手企業は広告宣伝費や人件費が高いため、中小企業に比べて費用が高くなる傾向があります。
6. 施工条件
住宅の構造や床下の状態によっては、追加作業が必要となり費用が増加することがあります。
失敗しないシロアリ駆除業者の選び方
当社がリフォーム工事で連携している信頼できる業者の選定基準をもとに、失敗しないシロアリ駆除業者の選び方をご紹介します。
日本しろあり対策協会への加盟確認
国土交通省管轄のもとに設立された「公益社団法人日本しろあり対策協会」の会員であることを確認しましょう。
実はシロアリ駆除の仕事は資格が無くてもできるため、業者によって技術力に差があります。協会加盟店は定められた薬剤を使用し、適切な施工を行うため、安全で確実な施工が期待できます。
加入している業者の場合、ホームページに記載されていることが多いので、チェックしてみてください。
施工実績と社歴の確認
シロアリ駆除は経験によって質が大きく変わります。様々なタイプの住宅での施工実績が豊富な業者は、確かな技術力とノウハウを持っています。
シロアリ駆除は5年間の保証が付くことが多いため、少なくとも5年以上、できれば10年以上の社歴がある会社を選ぶことをおすすめします。
また、業者内でシロアリ駆除の研修をしっかり実施していることも重要です。サービスの品質を保持し、技術力にムラのない施工員を育成している業者であれば安心です。
丁寧な調査と見積りの透明性
信頼できる業者は、必ず床下に潜り、被害状況を目視して、シロアリがどこから来てどこに巣くっているのかを確認してから、駆除プランと見積もりを提出します。
床下に潜らずにお見積りを渡す業者は、現場を見ずしてシロアリの種類も特徴も把握できないため、適切な対策を打てません。
見積りが明確で、どのような作業をいくらで行うのかが分かりやすく記載されているかも重要なポイントです。
アフターケアの充実度
工事後のアフターフォローや定期訪問がある業者を選びましょう。
信頼できる業者は、保証書を発行し、定期的に診断のためにお客様宅を訪問します。訪問時には床下まで入り、必ず目視をしてチェックをします。定期診断中にシロアリが見つかれば、無償で駆除するサービスを提供している業者が理想的です。
強引な契約を迫らない
その日のうちに契約をせまる業者には注意が必要です。契約するまでねばる業者は、お客様より自分の営業成績を優先している可能性があります。
信頼できる業者は、ご家族にも同席してもらったり、工事内容だけでなく、金額、工事中の音、使用する薬剤の臭いなどを説明して、納得してもらったうえで契約を進めます。
口コミや評判の確認
業者の名前や関連キーワードを使って、インターネット上で口コミやレビューを検索することも重要です。良い口コミだけでなく、悪い口コミも参考にすると良いでしょう。
複数の情報源から口コミや評判を集め、業者の信頼性や実績を判断することがポイントです。
シロアリ業者との契約時の注意点
複数業者からの見積もり取得
必ず複数の業者から見積もりを取るようにしましょう。施工内容やサービス、業者の担当者の対応などの比較対象ができることで、適正な項目や費用感の判断がしやすくなります。
ただし、アフターサービスや工法などによって金額に変動があるため、「他社より金額が高いから悪徳商法」というわけではありません。
契約時に家族や親せきに同席してもらう
業者との商談や点検、報告の際に、家族や親せきに同席してもらうことをおすすめします。シロアリ駆除や住宅の構造については一般の方には馴染みがなく、1人ではなかなか正しい判断がしにくいためです。
点検時に立ち会えなくても、別の日時に立ち会ってもらって業者から報告を受けた方が客観的な意見を聞くことができて安心です。
検討する時間を設ける
シロアリ駆除の工事は安い買い物ではありません。その場で契約を求められても必ず断り、実際に必要な工事なのかも含めて、きちんと考える時間を作ってください。
また家族や親戚に相談し、全員が納得したうえで契約するようにしましょう。不明な点は何回でもいいので、その業者に電話などで問い合わせて、ご自身で理解できるまで確認することが大切です。
追加費用の有無の確認
契約前に、追加費用が発生する可能性があるかどうかを必ず確認しましょう。バリア工法やベイト工法の基本料金以外に、住宅の構造や施工条件によっては別料金が発生するケースもあります。
シロアリ駆除を検討する際は見積もりを取り、費用相場を参考に、見積もり内容を確認することが大切です。
プロからのシロアリ予防アドバイス
当社がリフォーム工事の現場で培った経験から、シロアリ予防に関するプロのアドバイスをご紹介します。
リフォーム工事との同時施工のメリット
床下や壁の内部が露出するリフォーム工事は、シロアリ予防処置を行うのに最適なタイミングです。通常は見えない部分まで確認できるため、より効果的な予防が可能になります。また、同時施工することで工事の手間や費用を節約できる場合もあります。
床下環境の改善
シロアリは湿気の多い環境を好むため、床下の湿気対策は非常に重要です。床下換気扇の設置や防湿シートの敷設、定期的な換気などで床下環境を改善することで、シロアリの発生リスクを減らすことができます。
定期的な点検の重要性
シロアリ予防工事は一度やれば終わりではありません。定期的な点検(年1回程度)を行い、早期発見・早期対応を心がけることが大切です。特に梅雨前後は要注意で、シロアリの活動が活発になる4~6月は特に注意が必要です。
木材の状態チェック
住宅の木部に「トントン」と軽く叩いてみて、空洞のような音がする場合はシロアリの被害が疑われます。また、柱や床などの木材が変色していたり、木粉が落ちていたりする場合も注意が必要です。日頃からこうした兆候に気を配ることで、大きな被害を未然に防ぐことができます。
まとめ:シロアリ予防で住まいを守る
シロアリ予防は住宅の長寿命化において非常に重要な対策です。費用は住宅の坪数や工法によって異なりますが、20坪で約8.8万円~21万円、30坪で約8万円~32万円、40坪で約17万円~42万円、50坪で約21万円~53万円が一般的な相場となっています。
業者選びでは、日本しろあり対策協会への加盟や施工実績、アフターケアの充実度などをしっかり確認し、複数の業者から見積もりを取ることが大切です。
住まいは一生の財産です。定期的なメンテナンスを行い、シロアリ被害から大切な住まいを守りましょう。
最後に
シロアリ予防は「保険」のようなものだとお考えください。今すぐ効果が目に見えるものではありませんが、将来の大きな被害や修繕費用を防ぐための重要な投資です。費用だけで判断するのではなく、業者の信頼性や提供されるサービス内容をしっかり比較検討して、後悔のない選択をしていただければと思います。