内装工事を検討される方にとって「軽鉄工事」という言葉は耳慣れないかもしれません。しかし、実は現代の建築現場において軽鉄工事は欠かせない技術であり、私たちの生活空間の品質を支える重要な役割を果たしています。
本記事では、軽鉄工事の本質的な価値と実践的な知識を分かりやすく解説します。
軽鉄工事とは何か?その本質的な役割
軽鉄工事とは、厚さ0.5mm~1.6mmの薄い鋼板で作られた軽量鉄骨(LGS)を使用して、壁や天井の骨組みを構築する下地工事です。従来の木造軸組工法に代わり、1970年代後半から急速に普及した現代建築の基盤技術と言えます。
軽鉄工事が担う3つの重要な役割:
- 空間形成の土台作り:石膏ボードやクロス張りの下地を形成
- 建築物の安全性確保:耐火性・耐久性を向上させる構造体
- 設備配線の基盤整備:電気配線や空調ダクトの収容スペース確保
軽鉄工事が選ばれる理由
火災に強い安全性
石膏ボードとの組み合わせにより、木造に比べて約3倍の耐火性能を発揮します。飲食店舗やオフィスビルなど防火規制の厳しい施設で特に重宝されます。
寸法安定性の高さ
湿度変化による反りや収縮がほとんど発生せず、長期間にわたって形状を維持します。
環境配慮性
鋼材のリサイクル率は98%以上と高く、廃材発生量を木工事比で約60%削減できます。SDGs時代の建築業界において重要な選択肢となっています。
コスト効率
材料単価は木材と比較して約15%安く、大量生産による品質の均一性が特徴です。ただし、特殊形状への対応には追加費用が発生する場合があるため、事前の設計検討が重要です。
軽鉄工事の施工プロセス(基本編)
設計図面の読み込みと墨出し
CADデータを基にレーザーレベル器を使用して正確な位置出しを実施。±1mm単位の精度管理が求められる最初の関門です。
主要部材の取り付け
- 天井部:吊りボルトでハンガーを固定→メインレールを格子状に配置
- 壁面部:上下ランナーにスタッド(直立材)を300mm間隔で設置
補強材と開口部処理
ドア周辺や大型ダクト貫通部には補強用の鋼材を溶接。腐食防止のため亜鉛メッキ鋼材を標準採用しています。
精度確認と修正
水準器とレーザー測定器で全箇所の水平・垂直をチェック。特に角部の直角精度は0.5度以内を厳守します。
石膏ボード下地の完成
軽鉄骨組みの上に12.5mm厚の石膏ボードをビス留め。接合部には目地処理用のテープを施します。
軽鉄工事の品質を左右する3大ポイント
1. 防錆処理の徹底
海岸近くの現場ではステンレス製部材を採用。通常の亜鉛メッキ鋼材でも切断面に防錆塗料を塗布するなど、腐食対策を万全に行います。
2. 振動対策の考慮
大型機械が設置される工場などでは、防振ゴマを介した二重構造を採用。当社独自の「免震軽鉄工法」では振動伝達率を70%低減可能です。
3. 断熱性能の向上
寒冷地仕様では断熱材を挿入するスペースを確保。空隙部分にグラスウール32Kを充填することで、熱損失を42%削減できる実証データがあります。