壁紙クロスの防炎認定と防火認定の違いは?根拠法令から整理

壁紙クロスのサンプルとカーテン生地の見本を並べた、防炎認定と防火認定の違いを解説するイメージ

壁紙クロスを選ぶとき、カタログに「防炎」「防火」「不燃」「準不燃」と似た言葉が並んでいて、手が止まったことはありませんか? どれも火に関係する言葉なので、同じ意味だと思われがちなんです。ところが、防炎認定と防火認定では、根拠になる法律も、見ている性能も違います。

この記事では、壁紙クロスの防火認定・防炎認定の違いを、消防法と建築基準法の視点から整理しました。読み終える頃には、施設や店舗で何を確認すればよいかがわかります。宮城県・仙台市で内装工事を手がける私たちの目線で、お伝えしますね。

目次

壁紙クロスの防炎認定と防火認定は何が違うのか

消防法の防炎と建築基準法の防火を左右に比較した、壁紙クロスの防炎認定・防火認定の違いのイラスト

防炎は消防法、防火は建築基準法が土台

まず押さえたいのは、根拠になる法律の違いです。

防炎は、消防法にもとづく考え方です。カーテンやじゅうたんなどが、小さな火種で燃え広がらないようにするための基準ですね。一方の防火(不燃・準不燃・難燃)は、建築基準法の内装制限にもとづきます。壁や天井の仕上げ材で、火災の初期の成長を遅らせるための基準です。

私自身、若い頃は「燃えにくいなら、どれも同じでしょう」と大ざっぱに考えていた時期がありました。ところが、調べていくと、目的も対象も別物なんですよね。慎重に! ここを取り違えると、必要な認定を満たしていない壁紙を選んでしまう可能性があります。

違いをひと目で比べる

言葉だけだと頭に入りにくいので、表にまとめました。

| 項目 | 防炎 | 防火(不燃・準不燃・難燃) |
||||
| 主な根拠 | 消防法 | 建築基準法(内装制限) |
| 目的 | 小さな火種で着火しにくく、燃え広がりにくくする | 壁・天井の仕上げで火災の初期成長を遅らせる |
| 主な対象 | カーテン、じゅうたん等 | 壁・天井などの内装仕上げ材 |
| 代表的な表示 | 防炎ラベル | 認定番号(NM・QM・RM等)、防火施工管理ラベル |
| 主な確認先 | 所轄の消防署 | 建築基準法を扱う行政窓口、設計者 |

なお、消防法令の側でも、消防用設備等の設置基準を考えるときに内装の仕上げが関わる場合があります。「防火は建築基準法だけの話」と決めつけず、両方の視点で見ておくと安心ですね。

防炎認定(防炎性能)とは?壁紙クロスとの関係

防炎物品と防炎製品の違い

防炎品には、防炎物品と防炎製品の2種類があります。

防炎物品は、消防法で使用が義務づけられているものです。百貨店、飲食店、旅館、地下街などの不特定多数の人が出入りする施設や、病院・福祉施設、高さ31mを超える高層建築物で使うカーテンやじゅうたん等が該当します。防炎製品は義務ではなく、防炎性能を確認して自主的に選ぶものです。どちらも、日本防炎協会などが交付する防炎ラベルが目印になります。

壁紙クロスは防炎物品の対象なのか

ここが、いちばん気になるところではありませんか?

消防法で防炎対象物品として挙げられているのは、カーテン、布製ブラインド、暗幕、じゅうたん等、展示用合板、舞台の幕や大道具用の合板、工事用シートなどです。壁紙クロスは、これらの代表例には含まれていないと言われています。つまり、「壁紙クロスに防炎ラベルが必須」という整理にはなりにくいんです。

ただし、消防署の指導内容や施設の用途によって、運用が異なる可能性もあります。「うちは対象外のはず」と思い込まず、計画の早い段階で所轄の消防署に確認しておきましょう。

防炎規制を受ける主な施設

防炎規制を受けるのは、次のような防炎防火対象物です。

  • 高さ31mを超える高層建築物
  • 地下街
  • 劇場、映画館、集会場などの施設
  • 百貨店、飲食店、旅館・ホテルなどの不特定多数が利用する施設
  • 病院、福祉施設、保育所など、避難に配慮が必要な方が利用する施設
  • 工事中の建築物

複合用途の建物では、一部の用途だけが対象になる場合もあります。判断が難しいときは、専門家や消防署への相談が近道ですよ。

防火認定(不燃・準不燃・難燃)とは?

内装制限とは何か

壁紙クロスで「防火認定」というときは、多くの場合、建築基準法の内装制限に対応した防火材料のことを指します。

内装制限は、壁や天井などの室内に面する部分を、不燃・準不燃・難燃のいずれかの材料で仕上げるルールです。火災の初期成長を妨げ、フラッシュオーバー(部屋全体に一気に火が回る現象)までの時間を遅らせ、避難や消火をしやすくする狙いがあります。

対象になる建築物は、劇場や病院、ホテル、飲食店、物販店舗などの特殊建築物のうち一定規模以上のものや、無窓の居室、火気使用室などです。階数や延べ面積によっても変わります。店舗や施設の内装を計画されている方は、まず自分の建物が対象かどうかを確認したいですね。

不燃・準不燃・難燃の違い

3つの区分は、火災時にどれだけ燃えにくいかを示しています。

| 区分 | 加熱時間の目安 | 認定番号の頭文字 | 施工管理ラベルの色 |
|||||
| 不燃材料 | 20分 | NM | 赤 |
| 準不燃材料 | 10分 | QM | 緑 |
| 難燃材料 | 5分 | RM | 青 |

不燃がもっとも厳しい基準で、準不燃、難燃の順にゆるやかになります。「準不燃なら難燃の代わりに使える」という考え方になりますが、どの区分が必要かは、建物の用途や場所によって決まります。

下地とセットで認定される点に注意

見落としやすいのが、下地の条件です。

壁紙クロスは薄い材料なので、多くの場合、石膏ボードなどの下地材と、接着剤を含む施工方法の組み合わせで防火材料の認定を受けています。つまり、壁紙だけを見て「不燃だから大丈夫」とは言い切れないんですね。施工したあとに、認定条件に沿って仕上げた印として、防火施工管理ラベルを貼る運用もあります。

そうなんです。認定は「材料」だけでなく「施工の仕方」も含めた話です。下地の状態が認定条件と合わないと、せっかくの認定クロスでも条件を満たさない可能性があります。ここも慎重に!

施設や店舗で認定基準を確認する手順

用途と規模から必要性を確認する

最初のステップは、建物の用途と規模の確認です。飲食店なのか、物販店舗なのか、福祉施設なのか。何階建てで、延べ面積はどれくらいか。この2点で、内装制限や防炎規制の対象かどうかが変わります。

設計図面や確認申請の書類があれば、設計者に「内装制限はどの区分でしょうか」と聞くのが早いですね。図面が手元にない場合は、現況の用途や面積から整理するところから始めましょう。

使う場所ごとに基準を確認する

同じ建物でも、場所によって求められる基準が変わります。居室の壁・天井、廊下や階段などの避難経路、厨房などの火気使用室では、基準が異なる場合があるんです。

たとえば、建築基準法の内装制限では、居室の壁のうち床面から1.2m以下の部分は除かれるとされています。一方で、消防法令の側では壁全体を対象として考える運用も見られます。「腰壁の部分は何でもいい」と思い込むのは危険ですよ。いかがでしょう、思い当たる場所はありませんか?

仙台市・宮城県での相談先

確認先は、大きく2つあります。

  • 所轄の消防署(防炎規制、消防用設備等との関係)
  • 建築基準法を扱う行政窓口(内装制限、防火材料の扱い)

仙台市や宮城県内の施設なら、それぞれの地域を管轄する窓口が対象です。判断の細かい部分は、窓口ごとに運用が違う場合もあるため、計画の初期に相談しておくと手戻りを減らせますね。私たちも、石巻市を拠点に宮城県内の内装工事に携わっていますので、施工の面からご一緒に確認できます。

防火・防炎に配慮した壁紙クロスの費用目安

壁紙クロスの相場

気になる費用の目安は、次のとおりです。あくまで一般的な相場の目安で、建物の状態や施工条件で変わります。

| 種類 | 施工費込みの目安(1㎡あたり) |
|||
| 量産クロス(一般的なもの) | 900〜1,300円前後 |
| 準不燃・難燃認定クロス | 1,200〜2,000円前後 |
| 不燃認定クロス | 1,500〜2,500円前後 |
| 既存クロスの撤去・処分 | 200〜500円前後 |

たとえば、壁面30㎡を準不燃クロスで張り替える場合、材料と施工で約36,000〜60,000円が目安です。ここに、下地処理や諸経費が加わります。

※価格は相場価格を表示しています。当店の特別価格は、お見積りにてご確認ください。

費用が変わるポイント

費用を左右するのは、主に次の3点です。

  • 認定区分(不燃・準不燃・難燃)とグレード
  • 下地の状態(パテ処理や下地の張り替えが必要か)
  • 施工面積と、営業時間外の夜間施工などの条件

店舗の場合、工事の期間中は営業が止まりますよね。工期も含めて考えると、単価だけで比べるのは危険です。工期や条件は、現地を確認してからでないと断定できないため、まずは現場の状況を見せていただけると助かります。

🏠 リフォーム・内装工事のご相談はお気軽に

宮城県・仙台市エリアの内装工事・リフォームに関するご質問やご相談は、株式会社 室内装飾おとこざわへお気軽にどうぞ。現地の状況をしっかり確認したうえで、お客様に合ったご提案をさせていただきます。

株式会社 室内装飾おとこざわ
〒986-0321 宮城県石巻市桃生町新田字東町32番地
TEL:0225-76-1221
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よくある質問(FAQ)

壁紙クロスの防炎認定と防火認定の違いは何ですか?

壁紙クロスの防炎は消防法、防火は建築基準法にもとづく考え方です。防炎は燃え広がりにくさ、防火は不燃・準不燃・難燃の区分で内装制限に対応するための性能です。

壁紙クロスに防炎ラベルは必要ですか?

壁紙クロスは、消防法の防炎対象物品(カーテンやじゅうたん等)の代表例には挙がっていません。ただし運用が異なる場合もあるため、所轄の消防署へご確認ください。

壁紙クロスの不燃・準不燃・難燃の違いは何ですか?

壁紙クロスの不燃・準不燃・難燃は、火災時の燃えにくさの区分です。加熱時間の目安は不燃20分、準不燃10分、難燃5分で、不燃がもっとも厳しい基準です。

防火認定の壁紙クロスは下地も関係しますか?

防火認定の壁紙クロスは、下地材と施工方法の組み合わせで認定を受けているものが多く、下地も条件に含まれます。カタログの認定条件をご確認ください。

施設や店舗の壁紙クロスは誰に確認すればよいですか?

施設や店舗の壁紙クロスは、所轄の消防署と、建築基準法を扱う行政窓口で確認できます。用途や規模で必要な基準が変わるため、設計の早い段階でご相談ください。

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